意思決定力のルーブリック

 学校教育では、子どもに決まり切ったマニュアル通りの対応をすれば、うまくいくわけではありません。その時の一人ひとりの子どもや学級や学校の状況を踏まえて、どうすべきかという適切な〝意思決定〟をする必要があります。
 「初等教育学専修ゼミ3」の授業では、スクールボランティアや教育実習生が学校で失敗したり、困った問題をケース(事例)の形で受講生(3回生)の皆さんに投げかけ、一番解決すべき問題は何で、どのような解決策を講じるべきかという〝意思決定〟の力を鍛えることをねらっています。これによって実習不安も軽減し、スクールボランティアとして不要な失敗も減らすことができるのではないかと思います。
 2014度の授業では、具体的なケース(事例)で「何が問題」で「どう解決するのか」ということを3つの評価規準とそれぞれ4段階の質的区別をした教育実践事例のルーブリックで評価してきました。しかし、このルーブリックは、やや複雑で、皆さんにとって扱い難いようにも思います。

 それで、2014年度では、次のレベルを設定しますので、そこに到達するように頑張って欲しいと思います。

事例の
内容理解

何が問題か 

①具体的な事実を絡めて「何が問題か」ということを明確にしている。
②「何を決めなければならないか」ということを正確に理解している。

 登場人物の把握

③この事例で「どうすべきか」という決定にかかわる人をほぼ把握している。
④その決定を下した場合、利害や影響が及ぶ人を正確に把握している。
⑤主人公が鍵になる登場人物の見方・考え方を振り返って、その人が決めて欲しい事柄を論じたという証拠がある。

 主人公にとっての利点

⑥どのようになれば、主人公にとって最も良いのかということを述べている。

 考えられる解決の選択肢 

⑦問題解決のための複数の選択肢を示している。
⑧複数の選択肢を検討して、それぞれに関する結末を予測している。

 取るべき最善の解決策 

⑨問題解決のための一つの方法を適用している。
⑩この最善の解決策の根拠づけとして教育学のキーワードと関連付けている。

【意思決定力のアップのための参考資料】参考資料

 上記の意思決定力の到達基準は、抽象的で分かりにくい、もっと具体的な例が欲しいでしょう。そのような人のために、皆さんが「掲示板」に投稿した中から該当例を掲載しました。「このように書けば、ここで記したレベルまで到達」ということが分かると思います。「参考資料」のアイコンをクリックして、具体的なイメージ化を図って下さい。